卒業生在学生による座談会

学校法人愛知産業大学が設置する大学、短期大学、
専門学校4校、高等学校2校、幼稚園は、
建学の精神「豊かな知性と誠実な心を持ち社会に貢献できる
人材を育成する」のもとで教育活動を行っており、
今日まで14万人を超える卒業生を輩出してまいりました。
今回、各校の教育が卒業後の社会にどう結びついているか、
卒業生と在学生の対談を行いましたのでご紹介します。

就職した時に役立つ知識を
実践教育から吸収して。
(青山晋)
青山:
工業高校建築科出身の私は、当時から一級建築士をめざしていました。その思いを叶えるため、大学で知識を磨きたかったんです。受験の時はちょうど愛知産業大学に建築学科が設置されるタイミングでした。だから私は、建築学科の1期生です。
仁藤:
私は高校時代美術科で、女性建築家の故ザハ・ハディド氏が考えた新国立競技場のデザインに衝撃を受けて、建築分野に進みたいと思いました。
服部:
私は子どもの頃から住宅のチラシを見るのが好きで、高校進学時には将来建築の仕事がしたいと決めていました。
青山:
愛知産業大学を選んだ理由は何ですか?
仁藤:
担任の先生にすすめられたんです。調べてみると、考える楽しさやつくる喜びを体感できる実践型の演習や実習が多く、独自の奨学金制度も魅力だったので受験しました。
服部:
実践型の演習や実習は私も惹かれました。ほかにも、住宅設計を学びながら、2年生からは興味ある分野を突き詰められるカリキュラムも魅力的で選んだ決め手になっています。
青山:
近年愛知産業大学は、実践教育に力を入れているようですね。住宅や建築分野の企業に就職した時にすぐに役立つ知識は、私ももっと学んでおくべきだったと思っているので、どんどん吸収しておくとよいですよ。
「モノを生み出すって、
楽しい!」を実感。
(服部未咲)
青山:
ところで、実践型の授業ではどんなことを学べるんですか?
服部:
やっぱり設計や製図が中心です。ペン立てづくりの課題では、自分でデザインをして図面を描き、工作機械で材料を切ってカタチにするまでを経験。「モノを生み出すって楽しい!」を実感しました。
仁藤:
実際にあるマンションの一室を、自分のアイデアでリノベーションする授業も楽しかったです。どんな人が住んでどんな暮らしをしているのかといったターゲットも設定し、それに見合った間取りを考えました。
服部:
授業とは異なりますが飲食店の内装設計を手がける会社で、施
工体験をさせてもらえたインターンシップも印象深かったです。図面に従って空間をつくっていく施工の難しさを知ることができたのは大きな収穫でした。
仁藤:
私のインターンシップ先は設計事務所で、個人住宅のプランニングをさせていただきました。社員の方からいただいた図面への指摘は、私に多くの新しい気づきを与えてくれたと思っています。
青山:
ふたりの話からは、能動的な姿勢で知識の吸収を楽しんでいる様子がうかがえます。その姿勢こそが社会に出た時成長の源になってくれるはずなので、このまま貫き通してほしいです。
プラス思考でいられる自分を、
様々な経験から育て上げよう。
(青山晋)
仁藤:
青山さんが学生生活で得たことを教えてください。
青山:
私は、友人と過ごした時間がかけがえのない宝だと思っています。今設計士として会社勤めしていますが、独立した学生時代の友人と仕事をすることもあるんです。社会人になると過去に築いた縁の大切さを実感しますよ。
仁藤:
実は私、CADの操作方法がわからなくてベトナムの男子留学生に教えてもらったことがあります。彼とは一度も話をしたことはありませんでしたが、この件を機に仲よくなって情報交換をしているんです。
青山:
その縁はぜひ大切にしてほしいですね。
服部:
私からも質問なんですが、今就活について悩んでいて社会に出ている人はどんな新卒生と働いてみたいと思っていますか?
青山:
私の場合は、プラスの思考を持った方を歓迎したいですね。どれだけ能力が高くても思考がマイナスだと、仕事で納得のいく結果は出しにくいと思うんです。正直、仕事ではプラスの思考を阻害する出来事とも遭遇しますが、そこでめげないでほしい。
服部:
前向きでいることって、やっぱり大切ですね。
青山:
そうです。学生時代の様々な経験から、プラスの思考でいられる自分をいかに育て上げられるかがポイントだと思います。
学生生活を送る中で、
目標意識が高まった。
(仁藤理恵)
服部:
青山さんが仕事で大切にしていることを聞かせてください。
青山:
施主さまの思いの具現化の先にある、施主さまご家族の幸せな暮らしづくり。これを常にめざすことです。また、私たちの仕事によって幸せな暮らしを叶えたご家族が増えていくことで、街や地域が明るくなる。そんな信念を持って仕事に取り組んでいます。
仁藤:
一つひとつの仕事の積み重ねが、社会に対してよい影響を与えていくイメージですね。今のご意見から家づくりの奥深さを改めて感じましたし挑戦したいという気持ちも強くなりました。
服部:
私も自分が考えた家づくりのプランから幸せの輪を広げて、社会に貢献してみたいです。
青山:
「やりたいことが見つからない」という声が聞かれる中で、ふたりはしっかり目標を持っていますね。OBとしては頼もしい限りです(笑)。
仁藤:
学生生活を送る中で、目標意識が高まりました。
服部:
授業や課題は「いずれ力になる」が実感できるから、楽しく取り組めます。
仁藤:
私は、特にインテリアへの興味が増したのでコーディネーターの資格を取るつもりです。
青山:
優秀な学生と話をしてみて、自分ももっとがんばろうと思いました。住宅や建築業界を盛り上げる人材になってくださいね。
人として大切なことを教わった。
それが今も財産になっている。
(鳥山豊)
鳥山:
私は愛知産業大学三河高校(以下三河高校)の2期生で、電気科に在籍していました。実家が産業用ロボット分野の事業をしていたので、その関係から電気を学んでおくと有利だと思って入学したんです。
原田:
僕は中学時代にパソコンに興味を持ったので、情報処理科を選択しました。現代は情報社会ですし、学んでおいて損はありません。自分で学びたいと思った分野の勉強は、楽しいです。
片平:
私は小学生から始めたバスケットボールを続けたいと思っていたところ、スポーツ推薦の話をいただき、入学を決意。今はバスケに夢中です。卒業後は大学進学を考えています。
鳥山:
ふたりとも今を楽しんでいる様子ですね。勉強やスポーツも大
切ですが、私が三河高校で教わったことは、“人として大切なこと”。それが今の財産になっています。
原田:
例えばどんなことですか?
鳥山:
月並みかもしれませんが、礼儀や思いやりの重要性です。あいさつがきちんとできるかできないでは、社会に出た時に他者との信頼関係の構築に影響が出ます。
片平:
ほかにもありますか?
鳥山:
部活動では負けん気を育みました。片平さんも部活をされているようなので、負けん気の強さを備えているのでは?社会では、この能力が大いに役立ちますよ。
「やってみよう」。
この姿勢を根付かせておくべき。
(鳥山豊)
鳥山:
毎朝誓いの言葉を唱和していると思いますが、そこにある「父母のおかげで勉学する機会が与えられている」という文言は、卒業し社会に出て、親になってよくわかりました。特に家族のありがたみは身にしみます。
原田:
僕も家族は大好きで、大先輩から改めて言われるとより大切にしていきたいって思えます。
鳥山:
私は親になって子どもに勉強する機会を与えることが、どれだけ重要なのかを理解しました。
片平:
私はバスケのことなら夢中になれますが、勉強になると…。でも、将来就きたい職業があって、夢をつかむには進学して知識を身につける必要があるから焦ってしまいます。
鳥山:
夢があってやるべきことがわかっているなら、あとは持ち前の負けん気で進むだけですよ。ところで、原田君も夢はありますか?
原田:
はい。僕はパソコンを使えば、いろいろな表現が可能になると思うので、空間やキャラクター、音楽をつくって子どもや高齢者に喜んでもらう。そんな仕事をしてみたいんです。
片平:
すごく盛りだくさんですね!
原田:
だからこそ、どこから学べばいいか迷ってしまって。
鳥山:
片平さんと同じで、迷って手を止めるのではなくて、まず進んでほしいです。「やってみよう」。この姿勢を今のうちから根付かせておくべきですよ。
保育士か看護師になって、
人のために役立ちたい。
(片平琉華)
原田:
片平さんは、具体的に将来何がしたいですか?
片平:
私は、保育士か看護師のどちらかになりたいです。
鳥山:
人や社会のために貢献できる仕事ですね。
片平:
鳥山さんは普段仕事をしていて、何かに貢献している感覚はありますか?
鳥山:
私の会社は塗装事業を行っていまして、クルマ、鉄道、航空宇宙産業界などの企業から部品の塗装を依頼されます。自社の塗装技術がものづくりに役立ち、最終製品が人々に利用されると、社会の維持・発展に力を発揮できていることを実感します。また、経営者としては、従業員を雇っているわけですから、その生活を守ることに貢献できているのかなとも思います。
片平:
すごい、とても大人の意見(笑)。
鳥山:
高校生活の中でも、自分のすることが周囲にどんな影響を与えているかについて意識してみると、人や物事に対する向き合い方に変化が起きるはずです。
原田:
いつも自分のことで精一杯な気がします。
鳥山:
徐々に慣らしていけば大丈夫。早速今日から変わってみよう。どんなことでも変化の際には失敗がつきものですが、若い時の失敗は糧となっていずれ自分を助けてくれますよ。
片平:
鳥山さんも失敗を経験されていますか?
鳥山:
それはもうたくさん(笑)。
夢を実現するために
できることから
始めてみようと思う。
(原田稀琉)
片平:
会社を経営するって想像のつかない世界です。
原田:
そもそもどうすれば会社をつくれるのか、まったくわかりません。
鳥山:
実は私は、三河高校を卒業してすぐに今の会社を立ち上げたんですよ。
片平・原田:
えっ!
鳥山:
当然、ふたりのように知識もなかった。でも、チャンスが巡ってきたから、「やってみよう」のスタンスでスタート。そこから失敗を重ねて、今の規模まで成長できました。
片平:
行動するって本当に大切なことなんですね。
原田:
以前、自分のやりたいことをすべて叶えられる会社があるのか
疑問に思ったことがあって。それならいっそ起業の道もアリだと考えたんですが、なんか勇気が湧きました。
片平:
三河高校OBからの言葉だから、すごく頼もしさを感じます。
鳥山:
高校生活には、未来を明るくするためのヒントがたくさん詰まっていると思います。ましてや私が高校生の頃と比べて、今は情報も設備も潤沢。それらを生かさない手はないですよ。
原田:
僕は夢を実現するためにできることを探して「やってみよう」で始めてみたいと思います。
片平:
私もバスケと同じように勉強にももっと力を入れなくちゃ。
鳥山:
そうそう、その調子(笑)。若い世代に前を向いてもらうことができて、私もうれしいです。
私の職場では、
三河歯科衛生専門学校の
卒業生が数多く活躍しています。
(谷角カレン)
谷角:
私は今、岡崎市で歯科衛生士をしています。じつは幼い頃からずっと矯正でかかっている歯科医院に就職。そこで高校生の時に「歯科衛生士の仕事はいいよ」とすすめてくれたことで興味を持ち、学生時代にはアルバイトもしました。同じ職場で三河歯科衛生専門学校(以下、三河歯科衛生)の卒業生がたくさん活躍しています
林:
そうなんですね、すごい。私も小学生の頃に、近所の歯科助手の方から歯科衛生士という資格や職業について聞いたことがきっかけです。中学2年の職場体験で実際に見学し、働きたいという夢に変わりました。
谷角:
中学生の頃から、もうなろうと決めていたの?
林:
自分は不器用だし、正直すごく悩みました。でもオープンキャンパスでいろんな学校に行った中で、三河歯科衛生は親切な先生や先輩が多く相談にも乗ってくださって。楽しくて3~4回行きました。
谷角:
私もオープンキャンパスに行って雰囲気のよさを感じました。それに三河地区の求人が多く、国家試験の合格率が高い。車で通えるし。
林:
入学理由でもあるのですが、本校の大きな魅力は先生方がきめ細やかな指導をしてくださること。実技面が苦手なので、うまくいかない時は手本を見せていただき、できるまで丁寧に指導してもらっています。
一人ひとりに合った
きめ細やかな指導だから、
実技が苦手でも
克服できるのが魅力。
(林玲花)
谷角:
少人数制授業だと安心感があるよね。実習は班に分かれて1班に先生が2人体制だから、わからないことがあったらすぐ確認できました。
林:
友達同士で勉強を教え合い、苦手を克服できるという点もとてもいいと思います。あと、小テストがほぼ毎授業あるので家でも勉強し、先生がまとめてくださったプリントをもう一度解き直しています。
谷角:
やっているの?すごい!!私も国家試験に向けての集中学習で必死に覚えたことは今も思い出すし、習ったことが現場でリンクした時にうれしくなります。あと忘れられないことといえば2年次の「臨床式(戴帽式)」!本当に感動的で、どう表していいかわからない特別な感情になりました。
林:
私もこの前に先輩方の「臨床式(戴帽式)」に参列しました。1年後、自分はああいう風になれるのかぁ…。感動したというのと先輩が頼もしく感じました。
谷角:
その時はスタートラインに立てたかなという気持ち。実際は歯科衛生士になるのがゴールではなく、そこからが本当のスタート。いつかはエリートDH(歯科衛生士)になることが目標です。今の職場は研修など教育制度が充実しています。忙しい医院で揉まれながら経験を積み、人としてもパワーアップし、結婚・出産後も頑張っていきたい。
歯科衛生士は人の健康づくりに
貢献できる、
今後ますます注目の職種です。
(谷角カレン)
林:
私は将来、患者様の治療に対する不安を取り除き、治療が終わった後に患者様を笑顔にすることができる歯科衛生士になりたいです。そのためには技術の習得はもちろんですが、患者様に治療についての説明をくわしく理解してもらえるように多くの知識を身につけたい。
谷角:
歯科衛生士はとてもやりがいがあり、辞めたいと思ったことは1度もないし、楽しいと思います。うちの院長がよく口にする言葉ですが、「未来は今の積み重ね」です。学校での勉強や実習も頑張ることで、未来は変わってきます。私は目の前の患者様を大切にする。担当制なので、1人の患者様をずっと見守ることができます。信頼関係も築けるし。
林:
「歯科衛生士はその人の人生に寄り添える」って学校の先生に言われたんですが、今聞いてそういうことなんだなとわかりました。
谷角:
最近では歯周病と糖尿病が密な関係にあると言われ、歯科衛生士という職種がますます注目されています。口の中のケアをすることで健康づくりを支え、社会貢献にもつながっていくのかなと思います。
林:
食べることも見た目も、歯はすごく大事。人が健康で幸せに生きていく上でサポートをしていける仕事っていいなと改めて思いました。